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作家ファイル10 関野智子「惜しみなく、惜しげなく指導していただいた」

*この記事から、岡山光風会若手グループ「グループ8」のウェブサイトからの転載となります。

ファイル 95-1.jpg


作品に白を多用していた時期があります。

きっかけは、「呉越同舟」というグループ展の第1回展。
毎回一つ決めた展覧会テーマに合わせて、
ジャンルも作風も違うメンバーが新作を発表するんですが、
その最初が『白の展覧会』だったんです。
それで、「白ってなんだろう」と一生懸命考えることになりました。

最終的に当時の私が出した白の解釈は、
「存在と無の際」というものでした。
何もない状態であり、同時にすべてを含有するものでもある「白」。
その解釈と、福島(隆壽)先生が以前おっしゃっていた
「強いコントラストで目を引くことは誰にでもできるんだ。
弱いコントラストでありながらパチッときめていく、すると高級な絵になる」
という言葉がつながったんです。

こうして白を基調にした、
あるかないかのギリギリのコントラストの作品を
目指すようになったんです。

ただ数年続けているうちに問題が出てきました。

白を使って「攻めて」いたはずなのに、
だんだん白に「逃げる」ようになってきたんです。
自分でも「白い病にかかってる」と思っていたくらい(笑)。
白以外の色を使うことが恐くさえなってきていたんです。

好きな抽象画家にマーレビッチという作家がいるんですが、
彼は『白の上の白』という作品で、
白く塗った正方形のキャンバスに、傾いた白の正方形を描いています。
究極の白ですよね。
やがて彼は抽象画を捨てています。
そりゃ、そうでしょう、そこまで行ったら、もう描けませんよ(笑)。
そして私自身も、このままだとヤバイなあ、と思うようになってきました。


続きは「グループ8」ウェブサイト:https://groupeight.exblog.jp/8012341/へ。

構成/中原順子



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